「健康な土づくり農産物」園地見学(野菜ソムリエ)

2013/9/21

青森が県をあげて取り組む「健康な土づくり」を実践されている

りんご、大豆、トマト&パプリカ生産者の方の圃場にお邪魔してきました。

健康な土で栽培される作物のおいしさを再確認した一日でした!

 

板柳町の福士さんのりんご畑 

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最初にお邪魔したのは、青森県特別栽培農産物の認証を取得されている福士さんのりんご畑。化学肥料は使用せず、EMボカシ堆肥(有機物を発酵させたもの)を使用して、土壌を健康に保っています。認証を取得したのは平成14年ですが、じつはそれ以前から無化学肥料の栽培に取り組み、かれこれ20年近くも使用していないのだとか。その結果、慣行農法の半分ほどにまで農薬の使用を抑えることができるようになり、それでも、りんごの品質、収量ともに安定しているのだそうです。その実力が評価され、昨年度、「あおもり土づくりの匠」にも認定されました。

福士さんは、ご自身が胃ガンを患われた経験から、口から体に入る食べ物の安全の重要性を実感し、より一層、安全で安心な作物をつくることに情熱を傾けるようになったとか。そうして、何より「食べる人のことを考えてつくる」りんごは、安全なだけでなく、もちろん、味もピカイチ。「見た目を重視するより、食べて本当においしいりんごを提供したい」と熱く語っておられました。とはいえ、見た目だって、写真のように美しいのですが。

そんな福士さんは、回りの仲間を巻き込んで、「板柳有機農法研究会」としても活動。また、町全体の生産者の意識を高めるための板柳町「りんご丸かじり条例」のガイドライン委員会委員長として、ガイドラインの策定にも携わってきました。そのガイドラインに基づいて栽培されたりんごを、どうぞどうぞと勧めていただき、その場でもがせていただき、きゅきゅっと拭いて、ガブリ! なんてジューシー、そして、歯ごたえのいいこと。皮にもいやなえぐみがありません。おいしいー☆

りんご4種のミックスジュースも、冷やしておいてくださったものをいただきました。酸味がほどよく、後味すっきりの甘さが特徴。ちなみにこちら有機JAS取得製品です。素朴なイラストのラベルが可愛いですね。

福士さんからは、りんご栽培のあれこれを、短時間で、とても幅広く深く教えていただいたのですが、ここには書き切れず。これまで漠然と知りたいと思ってたりんごのことを要所要所凝縮して教えていただいたので、これから勉強していくべきポイントがよくわかりました。ぜひ、またの機会にお話をうかがってみたいと思います。

福士さんの畑、とても気持ちよかったです。斜面でなく、平地なのに、陽光はまんべんなく降り注ぎ、風が吹き抜け、地面はふかふかとやわらかく、水はけもよいようでした。あの畑で、作業の合間にいただくお昼ごはんはおいしいだろうなぁ。

板柳有機農法研究会/福士農園 e-mail f.ninken@ybb.ne.jp(りんご・りんごジュース販売)

 

 

中泊町の三上さんの大豆畑 

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その昔、強い除草剤を撒いたあとに、カエルやフナなどが大量に死んでいる姿を見て驚愕し、以来、「生命の安全を脅かすものは省いた農業をしよう」と決意したという三上さん。約30年にわたり、堆肥の使用、稲藁のすき込み、緑費作付け、輪作などに取り組み、健全な土づくりを続けていらっしゃいます。

当初は、有機農法の知識もあまりなく、手探り状態で、病気の発生や連作障害など、失敗も多かったとか。しかし、試行錯誤を続け、いまでは消費者からの評価が高い農産物の安定栽培に成功しています。

さて、右下の写真の大豆の根っこの部分に、たくさんの粒々がついているのがわかるでしょうか。これは “根粒菌” といって、豆の生長に欠かせない窒素をつくって補ってくれる存在。土が健康な圃場ゆえ、よい豆が育つために必要なこの根粒菌がしっかりついています。ここで育てられている大豆の品種は「おおすず」。味噌や醤油の加工用として人気があるそうです。

三上さんは、大豆50ヘクタール強、水稲33ヘクタール弱、小麦14ヘクタール弱、にんにく1.5ヘクタールという広大な面積の圃場を自社職員9名、シルバー人材派遣12名、パート2名という人数で管理されています。戦力の平均年齢が高いことについて「いまじゃ、田の草の見分けがつく人が、シルバーじゃないといない。いや、ゴールドぐらいじゃなきゃ無理かも」と、笑い話のように話されていました。草刈りをしようにも、草と稲の見分けがつけられない人が多いというのです。わが身を振り返り、確かにそうかも…と。農作物への深い知識と経験を持つ先輩方から、いま、教わっておくべきことがたくさんあるように思います。

三上さんは、平成12年から青森県特別栽培農産物の認証を取得、昨年度に「あおもり土づくりの匠」に認定されました。また、有機米の生産・販売を行う「中里町自然農法研究会」を仲間とともに組織、さらに、稲藁やもみ殻を有機質資源として農地に還元するための「堆肥センター」を共同で整備しているとのこと。じつは現状、三上さんの圃場の100%が有機栽培なわけではありません。そうした点も含めて、今後もなさりたいことがまだまだあるようです。

「宍道湖のしじみが減ってるんだってね」と、ぽつりとおっしゃった三上さん。他県のことながら、人間が関わって起こる自然環境の変化について、やはり敏感になっていらっしゃるのだと感じました。

有限会社 瑞宝

 

 

五所川原市の其田(そのた)さんのトマト・パプリカ畑

園地招待会10133

 

脱サラをして、家業の農業を手伝うようになったという其田さん。それに伴い、慣行農法から「エコファーマー」への転換を決意し、平成16年に認定を受け、自家製堆肥と有機質の肥料、光合成細菌などを主体に使用して、健康な土づくりに取り組んでいます。

光合成細菌とは、自然界に存在するもの。これを培養して希釈し、納豆菌などと併せて散布することで、窒素固定(肥料もちをよくする)、有害物質の除去などに期待できるのだとか。

専門誌を片手に、熱く語る其田さんは、ハウス12棟で、トマト栽培歴30年というご両親のアドバイスを受けながら、複数の農法を同時進行で試行錯誤中だといいます。

今回、見せていただいたのは、この光合成細菌を使って育てている中玉トマトとパプリカのハウス。

中玉トマトの品種は「Mr.浅野のけっさく」。大玉トマトをぎゅっとコンパクトにしたような旨味の濃いトマトです。小さくても食べごたえのあるしっかりとした味が印象的でした。そして、パプリカは、赤が「フェラーリ」、オレンジが「フォレッタ」、黄が「マゾナ」(聞き間違えていたらスミマセン)という品種。いままで見たことのないような巨大なものもありました。肉厚でジューシー、生でもおいしくいただけるパプリカでした。

植え付けから収穫まで、長い時間のかかるパプリカは、栽培効率の悪い野菜。それでも、丹誠込めて育てられた新鮮なパプリカの味を知ってしまうと、どうか栽培を続けてくださいと願わずにいられません。

ところで、其田さんの奥さまは、ジュニア野菜ソムリエの有資格者で、自家農園で収穫される野菜を生かすお料理の研究に余念がないよう。二人のお嬢さまはトマトが大好きで、穫ってくると、料理をする間もなく、そのまま食べてしまうのだとか(笑)。其田農園のトマトがいかにおいしいかがわかるエピソードです。しかし、上のお嬢さまはパプリカが苦手。「オリーブオイルで炒めて出すと喜んで食べてくれるのだけど、もっと他の調理法も考えたいですね」とのことでした。なんにせよ、安全な穫り立て野菜を食べて育つお子さん達はとても幸せですね。

農業生産法人 有限会社 其田農園 http://www.sonota-f.com(ながいも販売)

 

 

以上、簡単ながら、ご報告です。

それぞれの生産者さんが、真摯に、情熱的に農業に取り組まれる姿勢を目の当たりにし、そうして育てた作物のおいしさを 再確認した一日でした。いやー、ほんとにおいしかったです。

本当は、ご紹介した農産物以外にも、みなさん、あれこれ育てていらっしゃいます。それらの野菜や米や雑穀も、きっとおいしいだろうと思います。食べてみたい!

機会を与えてくださった県の安全・安心推進課の皆さまに感謝するとともに、「日本一健康な土づくり運動」が広く認知され、青森の農産物の付加価値となることを願っています。

 

 

 

 

 

 

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